グルーヴメタルとは

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グルーヴメタル

Groove Metal
成立1980年代後半〜90年代前半発祥米国全盛 1990〜1994年

速さを手放し、うねる重さで地面を踏み抜いたメタル

刻む。ひたすら刻む。速さで押し切っていたギターが、テンポを落として一発を体重ごと落としてくる瞬間、腹の底が鳴る。この音楽は走るのをやめて歩きはじめたわけではない。歩幅を広げて、地面を踏み抜きにきた。頭が勝手に前後に振れて、気づけばその重さに合わせて呼吸まで遅くなっている。

スラッシュが磨いた速さの快感を、いったん手放して掴んだのが「うねり」だった。刻みのあいだに間ができて、その空白がリフを跳ねさせる。裏拍でギターがぐっと沈み、スネアが遅れて追いかけてくるとき、身体は次の一撃を待って強張る。待たされる分だけ、落ちてきたリフが重い。速いだけの攻撃には出せなかった、粘る攻撃性がそこにある。

声も変わった。絶叫でも咆哮でもなく、喉を潰して吐き捨てるような、会話の延長みたいな怒り。歌詞が現実の街や政治や苛立ちに寄って、演奏の泥臭さと噛み合う。技巧を見せびらかす音楽ではないのに、リフの一本一本が計算し尽くされていて、抜き差しの精度で殴ってくるのが分かる。荒れているのに、雑ではない。

ダウンチューンで沈めた弦を、ミュートで締めて放つ。その一連の所作を最初に完成形で聴かせた盤があって、そこから枝が伸びていまも太くなり続けている。ライヴでこの手のリフが落ちてくると、フロアの全員の膝が同じ拍で沈むのが見える。理屈より先に体が反応する。だから何度でも言いたくなる。頭で考えずに、まず一発、この重さを浴びてほしい。

音の核
テンポを落として体重ごと落とすミドルの一撃刻みの間に生まれる裏拍のうねりダウンチューン+ミュートで締めた粘る低音喉を潰して吐き捨てる会話的な怒声
系譜の位置
本体グルーヴメタル

代表盤

Essential Albums
1990
Pantera
Cowboys from Hell
うねる重さを完成形で刻んだ最初の一枚
Pantera - Cowboys from Hell のジャケット
1992
Pantera
Vulgar Display of Power
ミドルの一撃を極限まで研いだ代表作
Pantera - Vulgar Display of Power のジャケット
1993
Sepultura
Chaos A.D.
スラッシュから土着リズムへ舵を切った転換点
Sepultura - Chaos A.D. のジャケット
1994
Machine Head
Burn My Eyes
怒りと重量を握った衝撃のデビュー盤
Machine Head - Burn My Eyes のジャケット
2004
Lamb of God
Ashes of the Wake
現代型グルーヴを主流へ押し上げた一枚
Lamb of God - Ashes of the Wake のジャケット

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