NWOBHM
New Wave of British Heavy Metal
成立1970年代後半発祥英国全盛 1979〜1981年
パンクの速さで走りだした、英国メタルの原点。
ギターの刻みが速い。パンクの短気さをそのまま握ったまま、ハードロックの重さだけ足したような刺々しい疾走が鳴る。Diamond Head の「Am I Evil?」を初めて通したとき、序盤のあの引きずるリフから疾走へ切り替わる瞬間、肩がびくっと持っていかれた。理屈で追う前に身体が反応する速さがここにある。
音は荒い。スタジオで磨き上げた分離ではなく、自前で録って自前のレーベルから出した粒立ちの粗さがそのまま盤に焼きついている。Saxon の「747」だとベースが前に出て、ギターとぶつかりながら走る。この土臭さこそが英国の街のガレージから出てきた証拠で、綺麗に均されていないから熱が逃げない。
疾走の底を支えるのはツインギターのハモリだ。Iron Maiden の「Running Free」で二本のギターが並走して駆けるあの気持ちよさ。片方が旋律を張り、もう片方が寄り添って三度で追う。この編成が後のメタルの標準装備になった。
Motörhead の「Ace of Spades」を最大音量で浴びると、リズムの前のめりに耳が引きずられる。速く、荒く、身体で受けとめる音楽。これを聴いた若い連中が海の向こうでスラッシュを鳴らしはじめた。始まりの音は、いつも次の音楽の火種になる。
代表盤
Essential Albums1980
Iron Maiden
Iron Maiden
パンクの荒さを残したまま疾走する、原型の一枚
1980
Saxon
Wheels of Steel
土臭いリフで先陣を切った、街の労働者の音
1980
Diamond Head
Lightning to the Nations
無地ジャケの自主盤が後年のメタルを動かした
1980
Def Leppard
On Through the Night
若さの勢いと歌心が同居する瑞々しい始点
1980
Motörhead
Ace of Spades
前のめりの疾走が世界のスピードを塗り替えた
まず聴く
Start Here曲名をタップすると、その場で Spotify プレーヤーが開いて再生できます。

