奏法・サウンド用語辞典
リフやソロ、ドラムの「あの感じ」、声の歪み——耳に残る音が何と呼ばれるかを、鳴らす身体の部位(弦・打・声)で引ける。
該当する用語が見つからない。別の言葉で試すか、用語辞典トップから他の系統を引いてほしい。
パワーコードPower Chord
ルート(根音)と完全5度の2音とそのオクターブだけで構成する和音。3度を省くため長短の響きを持たず、深く歪ませても濁りにくい。ロックやメタルのリフの基本単位。
リフRiff
短く反復される印象的な楽句。多くはギターの低音弦で弾かれ、曲の土台と推進力を作る。ロックやメタルの楽曲の大半はリフの積み重ねで組み立てられる。
パームミュートPalm Mute
ピッキングする手の側面をブリッジ付近の弦に軽く当てて余韻を抑え、音を短く締めて鳴らす奏法。ロックやメタルの重いリフに多用される。
ダウンピッキングDown Picking
アップストロークを挟まず、下方向のストロークだけで弦を弾き続ける奏法。全打が同じ角度で当たるため、均質に刻み込む音になる。スラッシュメタルの高速リフの中核技術で、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドが名手として知られる。
オルタネイトピッキングAlternate Picking
ダウンとアップのストロークを交互に繰り返して弾く奏法。動きに無駄がなく、速いフレーズを効率よく正確に弾ける。速弾きの基礎で、トレモロピッキングもこの動きの応用。
トレモロピッキングTremolo Picking
同じ音をオルタネイトピッキングで小刻みに連続して弾く奏法。震えるような持続音が出て、メタルの高速リフやソロで使われる。
ギャロップ奏法Gallop
馬が駆けるような「タッタカ」というリズムを刻む奏法。パームミュートを効かせた連打で疾走感を出す。アイアン・メイデンのスティーヴ・ハリスらに知られる。
ダウンチューニングDown Tuning
全弦をレギュラーより低く下げる調弦。半音下げや全音下げなどがあり、低音域が広がりヘヴィなサウンドになる。メタルで広く用いられる。
ドロップチューニングDrop Tuning
最低音弦だけを他の弦よりさらに全音下げる調弦。6弦をDに下げるドロップDが代表で、低音弦を1本の指で押さえるだけでパワーコードが弾ける。低く重いリフを速く刻めるためメタルで広く使われる。
チョーキング(ベンド)String Bending
押さえた弦を指で押し上げ、または引き下げて音程を滑らかに上げる奏法。英語ではベンドと呼ぶ。声のようにうねる表情が出て、ブルース由来のギターソロに欠かせない。
レガートLegato
ハンマリングとプリングを主体に、ピッキングを最小限にして音をなめらかにつなぐ奏法。粒立つアタックが減り、流れるような速いフレーズになる。テクニカルなソロで多用される。
タッピングTapping
指板上の弦を指で叩いて押弦・発音する奏法。ライトハンド奏法とも呼ばれ、エディ・ヴァン・ヘイレンの登場で広く普及した。速いフレーズやソロに使われる。
スウィープピッキングSweep Picking
弦を箒で掃くように連続したダウンまたはアップで弾く奏法。アルペジオを高速で弾くために用いられ、各音はミュートで粒立てる。
ピッキングハーモニクスPinch Harmonics
弦を弾いた直後に親指の側面を弦に触れさせ、本来より高い金属的な倍音を鳴らす奏法。リフやソロのアクセントに使われる。
シュレッド(速弾き)Shred
高速かつ技巧的にギターを弾くスタイルの総称。日本では速弾きと呼ばれる。オルタネイトピッキング、スウィープ、タッピングを駆使してクラシック風の速いフレーズを正確に弾き切る。ネオクラシカルメタルの中核。
打
ブラストビートBlast Beat
バスドラムとスネアを高速で交互または同時に打つドラムビート。マシンガンのような連打音が出る。エクストリーム・メタルで多用される。
ツーバスDouble Bass Drum
バスドラムを左右の足で連打する奏法。2台を並べる方式と、1台に2本のペダルを付けるツインペダル方式がある。スラッシュやデスメタルの高速演奏に使われる。
スラッシュビートThrash Beat / Skank Beat
パンクのビートを倍速化し、バスドラムとスネアを高速で交互に打ち続けるドラムビート。スカンクビートとも呼ばれる。前のめりの疾走感を生み、スラッシュメタルのドラミングの背骨となる。
DビートD-beat
英国のハードコアパンクバンド、ディスチャージのドラマーが広めた疾走ドラムビート。バンド名の頭文字が呼称の由来で、同型のバンド群を指すジャンル名にもなった。スウェーデンや日本のシーンに深く根づいた。
フィルインDrum Fill
基本のビートから一時的に離れ、セクションの変わり目を埋める短いフレーズ。日本では「おかず」とも呼ばれる。サビ前などで展開を予告し、曲に勢いと区切りを与える。
ポリリズムPolyrhythm
拍の割り方が異なる複数のリズムを同時に重ねる技法。3連符と4分音符を重ねるなど、ずれと収束が生むうねりが特徴。メシュガーがメタルの刻みに導入し、ジェントの核となった。
ブレイクダウンBreakdown
テンポを落とし、低音弦とバスドラムをユニゾンで刻んで分厚いグルーヴを作る楽曲パート。メタルコアやデスコアの特徴で、ライブで観客が暴れる場面になる。
声
クリーンボーカルClean Vocals
声を歪ませず音程どおりに歌う通常の歌唱。グロウルやスクリームと対で使われる呼称で、激しいパートとの落差が旋律を際立たせる。メタルコアの叫びと歌の対比が典型。
ハイトーンボイスHigh-Pitched Vocals
男声の高音域を張りのある声で歌い上げる発声。金属的に突き抜けるロングトーンやシャウトが様式美を支える。ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードが型を築き、パワーメタルに受け継がれた。
グロウルGrowl
低く唸るように歪ませた発声法。日本ではデスボイスとも呼ばれ、デスメタルやデスコアで多用される。腹式呼吸と共鳴を使って響かせる。
ガテラルGuttural
グロウルよりさらに低く、喉の奥で潰したような音色で発する歌唱。音程感を抑えた打楽器的な響きになり、ブルータルデスメタルやスラム系で多用される。
スクリーム/シャウトScream / Shout
声を歪ませて叫ぶように発するボーカル技法。スクリームは音程によらず歪ませて叫び、シャウトは音程やメロディに乗せて叫ぶ。ロックやメタルで使われる。
ピッグスクィールPig Squeal
豚の鳴き声に似た甲高い音を出す歪み発声。吸気でも呼気でも出せる。デスコアではアクセントとして、スラムデスメタルやゴアグラインドでは主要な発声として使われる。

