グラムメタル
Glam Metal
成立1980年代前半発祥米ロサンゼルス全盛 1983〜1991年
化粧と轟音で夜を沸かせた、80年代LA最大のパーティ・メタル
針を落とすと、まずコーラスが待ち構えている。歌より先に「うおおお」と束になった掛け声が飛んできて、身体がその輪の内側に引き込まれる。サンセット・ストリップの夜が音になったら、たぶんこういう鳴りだ。
ギターは歪んでいるのに、どこか艶がある。ピックが弦を擦る一瞬の摩擦まで前に出て、リフの縁がきらきら光る。ソロが入ると、速さより歌わせ方で聴かせにくる。指板を駆け上がる音が、サビへ向かってちゃんと物語を作っている。この滑らかさこそ、ロサンゼルスで磨かれた質感だった。
リズム隊は重いのに軽い。バスドラが胸を押してくる一方で、スネアはからっと乾いて跳ねる。ハンドクラップが入る箇所で、会場ぜんぶが同じ拍を叩いている絵が見える。歌はメロディを甘く伸ばしながら、語尾で一気に喉を割る。その落差に、化粧の下の熱があらわれる。
派手なルックスの話ばかりされがちだが、耳を澄ませば分かる。フックの作り込みも、コーラスの積み方も、演奏の腕も、全部むき出しで鳴っている。楽しませることに全力を注いだ音楽が、40年たっても最初の一音でこちらの襟をつかんでくる。
代表盤
Essential Albums1983
Mötley Crüe
Shout at the Devil
凶暴さと祝祭が同居した出世作。LAの狼煙
1983
Quiet Riot
Metal Health
メタル初の全米1位。大衆へ扉を開いた一枚
1984
Ratt
Out of the Cellar
艶リフとフックの見本。ストリップの決定盤
1984
Dokken
Tooth and Nail
歌心とテクを両立させた叙情派の到達点
1986
Poison
Look What the Cat Dragged In
享楽全開のデビュー作。祭りの申し子
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